NTTドコモ(本社:東京都千代田区),米Intel,米IBMは,共同で策定したモバイル機器向けセキュリティ仕様「Trusted Mobile Platform」をリリースした。Intel社が米国時間10月27日に明らかにしたもの。電子チケット発行や電子財布といった高度なmコマース・サービスをより安全に実行できる環境を目指す。

 Trusted Mobile Platformでは,さまざまなレベルのセキュリティを実装したモバイル機器を構成するハードウエアおよびソフトウエア・コンポーネントのセットを定義している。これらのコンポーネントが連携することで,悪意のあるアプリケーションによる影響を制限し,各種のセキュリティ機能を実行可能にする。

 同仕様は,デバイスのセキュリティ状態を,同じネットワーク内にある他のデバイスと共有するためのプロトコルを定めている。これにより,大規模ネットワークにおけるデバイスの信頼度を統一することが可能となる。

 また,最新のセキュリティ技術やセキュリティ法規を取り入れており,改ざん検出モジュールやドメイン隔離などにより,ウイルスの伝染からデータを保護することが可能。認証および管理プロトコルでは,企業が社員に新しいソフトウエアを無線配信する際に,より高度なセキュリティを確保できるようにする。

 IBM社Pervasive Computing部門Sales and Marketing担当バイス・プレジデントのAlistair Rennie氏は,「モバイル向けセキュリティは,単にウイルスや攻撃を防ぐというだけでなく,重要な企業資産および情報を守ることに通じる」と述べた。

 仕様の策定にあたっては,NTTドコモから無線ネットワークにおけるセキュリティ要件を,Intel社から無線機器向け半導体設計の知識を,IBM社からビジネス・セキュリティとパーベイシブ・コンピューティングに関するノウハウを持ち寄った。

 Trusted Mobile PlatformはWebサイトから入手可能。

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