米Intelと無線ブロードバンド・サービスの米Clearwireは米国時間10月25日に,WiMaxネットワークをベースにした無線ブロードバンドの開発および導入で協力体制を敷くことを明らかにした。
WiMaxネットワークは,IEEE 802.16a規格をもとにする広帯域無線ブロードバンド技術。最大70Mbpsで最長30マイル(約55km)の範囲にデータが伝送できる。無線ブロードバンド・アクセス製品の互換性認証のために設置された非営利団体WiMaxが策定を進めており,CATVやDSLに対抗できる高速無線ネットワークの普及促進を目指す。
提携のもと,Clearwire社は子会社NextNet Wirelessの無線ブロードバンド装置にIntel社の将来の半導体製品を採用し,同装置を用いてWiMAXネットワークを導入する。一方Intel社は,同社投資事業Intel Capitalを通じて,Clearwire社に出資する。金額については明らかにしていない。
Clearwire社は,携帯電話業界の起業家Craig McCaw氏が会長兼CEOを務める企業。WiMAXと類似の技術を用いた無線ブロードバンド・ネットワークを,8月にフロリダ州ジャクソンビルで開始している。米メディアの報道(CNET News.com)によると,McCaw氏は,米Nextel Communicationsと英ICOの主要株主でもある。
Intel社執行バイス・プレジデント兼Communications Group部門ジェネラル・マネージャのSean Maloney氏は,「WiMAX技術のコミュニティは世界的な広がりをみせており,世界中のキャリア,装置メーカー,サービス・プロバイダが,WiMAXネットワーク構築の基礎を整えようと急速に動き出している」と説明した。
ちなみにIntel社は,WiMAX対応顧客宅内装置(CPE)用システム・オン・チップ(SoC)「Rosedale」(開発コード名)の開発を進めている。単一チップにIEEE802.16-2004 MACおよびOFDM PHY,10/100 MAC,インライン・セキュリティ処理部,TDMコントローラ・インタフェースを統合する。すでに主要顧客向けサンプル出荷を開始している。
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