米PricewaterhouseCoopers(PwC)が,技術分野における企業のライセンス収入に関する調査結果を米国時間10月21日に発表した。それによると,米国の技術系企業の76%が2004年にライセンス収入の大幅増を予測したという。さらに,全体の40%が「成長率は10%以上」と答えた。「ライセンス収入の拡大ペースは,2004年における米国国内総生産の上昇率4.7%(予測値)や,技術業界の成長率5%(同)を上回る」(PwC社)

 調査対象となった企業の36%が「ライセンス収入の予測成長率は10%未満」と回答したのに対し,「予測成長率は10%を超える」と答えた企業は40%あった。

 一方,「2005年のライセンス収入に対する予想はやや楽観的」(同社)という。予測成長率10%未満とみる企業は31%で,若干少なくなる。予測成長率10%超と予測する企業は42%で,その3分の1(全体の14%)は「ライセンス収入の成長率が20%を超える」とみている。

 ライセンス収入が増えないとみる企業の割合は,2004年に対する予測では6%,2005年については4%あった。

 「知的財産(IP)を基盤とする経済活動が行われるなか,ライセンス収入は技術系企業にとって大きな収入源となった。この業界の企業は,手持ちのIPから最大の経済的メリットを得るために,膨大な時間とエネルギを費やしている」(PwC社ライセンス管理サービス担当米国リーダーのDavid Marston氏)

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