米IBMが,各種業界のIT関連法規制への対応を支援するフレームワーク「Risk and Compliance Framework」ついて,新製品など6種類を米国時間10月20日に発表した。Sarbanes-Oxley Act(米企業改革法),Patriot Act(米愛国者法),米国の医療関連データ規格Health Insurance Portability and Accountability Act(HIPAA)や,そのほかの国際的規制に順守しやすくする。

 同フレームワークを利用すると,効率よくさまざまな規制に対応可能なITアーキテクチャを設計/展開できるようになる。さらに,業務の無駄も削減できるという。オープンな標準技術を使用しているので,既存のITインフラやベンダーをそのまま活用してシステムを構築できる。

 同社が発表した6種類の製品などは以下の通り。

・「IBM Solution for Compliance in a Regulated Environment(SCORE)」:
 製薬/バイオテクノロジ/医療機器を手がける企業向けの法規制順守ソリューション。米食品医薬品局(FDA)の21 CFR Part 11およびcGMPといった規制に対応する

・「IBM Risk and Compliance -- Basel II Information Management Offering」:
 IBM社の金融機関向けソフトウエア「IBM Banking Data Warehousing Software(BDW)」を利用し,集中型のデータ・リポジトリおよびレポーティング・フレームワークを構築する。Basel II(新自己資本比率規制),International Financial Reporting Standards(IFRS:欧州の国際財務報告基準),Sarbanes-Oxley Actに対応している

・「eForms & Records Management Solution for Government」:
 同社のTivoliブランドのID管理ソフトウエアと,米VeriSignの認証技術に対応した,ミドルウエア。電子文書の作成,デジタル署名,転送,処理,保管,検索が安全に行えるという

・「IBM ThinkVantage」技術:
 エンド・ユーザー用システムの展開,無線LANなどの新技術の導入にかかわる経費を削減し,より安全な環境を実現するという。たとえば「Antidote」技術を使用すると,セキュリティ・パッチなどの適用を自動化できる

・「IBM TotalStorage DR550」:
 追記型記録技術「Write Once Read Many(WORM)」を採用し,「POWER5」マイクロプロセサを搭載したストレージ・システム

・「IBM TotalStorage Tape」の機能拡張:
 テープ・サーバー「IBM 3494 B10 Virtual Tape Server(VTS)」「同B20 VTS」で,テープ装置「IBM TotalStorage 3592」を利用可能とした。最大でテープ装置128台とサーバー64台をテープ・ライブラリ「IBM TotalStorage 3494」に接続できる

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