米META Groupが米国時間10月19日に,企業における無線アプリケーションの導入状況について調査した結果を発表した。それによると,2007年までに,何らかの無線アプリケーションを導入する企業が65%に達する見通しだという。

 無線対応の電子メール・アプリケーションを導入する企業が,3年後には50%,4年後には75%に達する見込みである。META Group社は,同アプリケーションの導入は序の口に過ぎず,その後さらに無線アプリケーションへの移行が本格化するとみる。

 META Group社副社長のJack Gold氏は,「無線対応の電子メール・アプリケーションに慣れると,より高度なアプリケーションを求めるようになるだろう」と予測する。「例えば,資産管理,物流,配送など,ミッション・クリティカルな業務で無線アプリケーションを導入し始める」(同氏)

 現在,無線アプリケーションを試験的に利用している企業は,今後2年間でユーザー数を増やし,部署全体,もしくは社内全体で導入する可能性が高い。しかし,平均的な企業では100~200人規模の導入にとどまり,無線導入のためのコストは25万~50万ドルの範囲となる。

 企業が無線アプリケーションの導入を検討する場合,以下の6点に留意する必要がある。

・無線デバイスの選択:最適なデバイス,必要なデバイスの台数,デバイスの所有権(企業もしくはユーザー),デバイス管理,予算の割り当てなど

・セキュリティ:無線アプリケーションの社内セキュリティ方針への準拠。エンド・ユーザーによる無線デバイスの取り扱いやデータ管理

・接続性:機能面,コスト面で適切な無線ネットワークの選択。複数台数の接続や,適切なサービス・プロバイダの検討

・アプリケーション:シン/シック・クライアントの選択,アプリケーションのリアルタイム同期,プラットフォーム・ベンダーのモバイル環境への対応

・管理:修理や買い替えなど,デバイスの管理。旧テクノロジのアップグレード

・コストとROI(投資回収率):ROIの測定方法や,無線導入に伴うコストとメリット

 「無線アプリケーションの導入を現実的に考える企業が増えてきた。しかし,導入に先立ち,企業はその必要性,テクノロジの限界,コストやメリットなどを慎重に検討する必要がある」(Gold氏)

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http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/USNEWS/20030206/9/
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