米Microsoftが,マルチコア・プロセサを搭載するサーバー向けの新しいソフトウエア・ライセンス体系を米国時間10月19日に発表した。新ライセンスでは,ライセンスの数をコア数ではなくプロセサ数で決定する。同日より適用を開始し,「Microsoft SQL Server」「Microsoft BizTalk Server」を含む「Windows Server System」製品系列のソフトウエアを対象とする。

 マルチコア・プロセサは,1つのプロセサ内に複数の演算処理コアを持つ。複数の処理を同時に実行できることから,システム全体の性能向上が期待できる。マルチコア・プロセサのうち,コアを2つ持つタイプを特にデュアルコア・プロセサと呼ぶ。

 米Intelと米AMDは,いずれも2005年にサーバー向けデュアルコア・プロセサの提供を予定している。さらに,その後コア数を増やす計画もある(関連記事12)。AMD社はデュアルコアの「AMD Opteron」プロセサを搭載した米Hewlett-Packard(HP)の「HP ProLiant DL585」を使用し,Microsoft Windows Server 2003を動作させるデモンストレーションを先ごろ行った(関連記事)。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,米IBM,HP社,米Sun Microsystemsも既にデュアルコア・プロセサを持っており,4/8/16コア構成のプロセサの開発も進めているという。

 Microsoft社の新しいライセンス体系により,デュアルコア・プロセサを使用しても追加ライセンスを新たに購入しないで済む。たとえば,デュアルコア・プロセサを4個搭載するサーバー上でMicrosoft SQL Server Standard editionを使用する場合,ライセンス数は4つになる。

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