米Apple Computerは米国時間10月19日,ノート・パソコン「iBook」の新モデルを発表した。無線LAN機能を備え,動作周波数1.2GHzまたは1.3GHzの「PowerPC G4」プロセサを搭載する。価格は999ドルからで,「iBookとしては最も高速で手頃な価格の製品」(同社)としている。

 12インチ・モデルと14インチ・モデルを用意する。802.11gに準拠するAirPort Extremeのほか,オプションでBluetooth機能も提供する。いずれのモデルも,FireWire 400,USB 2.0,内蔵56K v.92モデム,Ethernet(10/100BASE-T)といったI/Oポートを標準搭載。バッテリの駆動時間は最長6時間。

 32MバイトのDDRビデオ・メモリーを備え,AGP 4Xに対応するグラフィックス・カード,ATI Radeon Mobility 9200を標準装備する。VGAビデオ出力を備えているため,プロジェクタや外部ディスプレイにミラーリング可能。また,DVDとCDの作成ができる「SuperDrive」か,CDの作成/再生とDVDの再生ができるコンボドライブを用意する。

 OSは「Mac OS X 10.3」(開発コード名「Panther」)。デジタル音楽管理の「iTunes」,デジタル写真編集の「iPhoto」,デジタル・ムービー作成の「iMovie」,DVD作成の「iDVD」,音楽編集の「GarageBand」からなる「iLife」アプリケーションが付属する。

 Apple社Worldwide Mac Product Marketing部門担当副社長のDavid Moody氏は,「持ち運べるデジタル・ライフを想定したiBook G4は,学生や一般消費者の間でとても人気が高い製品」と説明する。「AirPort Extremeを内蔵し,より高速なPowerPC G4を搭載した新モデルは,価格がわずか999ドルからということもあり,より多くのユーザーにアピールするはず」(同氏)

 Apple社は同日,64ビット「Power Mac G5」シリーズで,動作周波数1.8 GHzのシングル・プロセサ搭載モデルを発表した。同モデルは,6.4Gバイト/秒のメモリ帯域幅を持ち,最大メモリは4Gバイト。また,PCI拡張スロット3基,最大500GバイトのシリアルATAハード・ディスク装置,AGP 8X Proグラフィックス・スロットを搭載する。価格は1499ドル。

 このほか,3Uサイズの ラック・ストレージ・システム「Xserve RAID」で,ストレージ容量5.6テラ・バイトの製品を提供すると発表した。価格は1万2999ドル。ギガバイト単価は2ドル強で,「業界で最も低価格」(同社)とする。異機種環境への対応を強化するために,米Cisco SystemsとSUSE Linuxの認定を受けたほか,Mac OS X対応のSANファイル・システム「Xsan」向けに最適化した。

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