米Microsoftは米国時間10月19日に,企業向け通信クライアント「Istanbul」(開発コード名)を発表した。「Office System」の新製品となるもので,インスタント・メッセージング(IM),プレゼンス,パソコン・ベースの音声およびビデオ,テレフォニなどの通信機能を統合する。

 Microsoft社Real-Time Collaboration Business Group部門コーポレート・バイス・プレジデントのAnoop Gupta氏は,ボストンで開催中の「Fall 2004 VON Conference & Expo」で,同社のリアルタイム・コラボレーション戦略について語り,「企業はリアルタイムのコミュニケーションを利用することで,より詳しい情報を手に入れ,時宜を得た決断を下し,顧客との関わりを強め,事業を成功させることができる」と述べた。「Istanbulと企業向けIMサーバー『Office Live Communications Server』およびオンライン会議サービス『同Live Meeting』により,全般的なリアルタイムのコラボレーション機能を提供し,当社の顧客がより効率的に共同作業を行えるよう支援する」(同氏)

 Istanbulの主な特徴は以下の通り。

・「外出中」などの各種プレゼンスをもとに,連絡手段を管理できる。米メディアの記事(CRN)によると,例えば外出中に事務所に電話がかかってくると,Istanbulが着信を知らせる。ユーザーはIstanbulの通知で発信者の名前または番号を確認し,通話を携帯電話に転送したり,パソコンで受け取ることができる

・IM,オンライン会議,電話などの複数の通信手段を単一のインタフェースにまとめ,より簡単に高機能通信を利用できる

 Istanbulのベータ版は一部ユーザーに提供する。現在,ベータ・プログラムの参加企業を募集している。最終版は2005年前半に利用可能になる。

 なお,別の米メディアの報道(CNET News.com)によると,Istanbulは,「Office Live Communications Server 2005」および「Exchange」向けのアドオン製品として提供する。「MSN Messenger」のほか,米Yahoo!や米America Online(AOL)のIMとの連携も視野に入れているという。

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