米Metrowerksと米Freescale Semiconductorは,Freescale社のドライバ情報システム用アーキテクチャ「mobileGT」と開発プラットフォーム「Total5200」向けに最適化した組み込み型Linux「Linux Board Support Package(BSP)」を提供する。両社が10月18日に明らかにしたもの。「Linux BSPによって,無線,グラフィックス,オーディオ,GPS技術などを組み込んだ,さまざまな車載ネットワーク製品の開発が可能になる」(両社)

 Linux BSPは,自動車業界のOEMやティアワン・サプライヤが組み込み型Linuxを利用して,次世代のナビゲーション,テレマティックス,ハンズフリー電話,ラジオ/テレマティックスのハイブリッド製品,情報系エンターテインメント,ドライバ情報システムなどを開発できるように支援する。

 グラフィックス,オーディオ,CAN(Control Area Network),USB,Ethernet,ATA,UARTといった,Total5200の機能に対応する。また,迅速かつ容易なマルチメディア・アプリケーションの実装や,再設定可能なタッチ・スクリーン向けサブ・システムといった,Total5200の機能を有効活用できる。

 Freescale社副社長兼DART部門担当ジェネラル・マネージャのBill Pfaff氏は,「各国の大手自動車メーカーは,mobileGTなど,自動車業界に特化した信頼できるプラットフォームで,Linuxを利用するための方法を模索していた」と説明する。「このような業界ニーズに応えるために,Metrowerks社と協力して,Linux BSPがmobileGTとTotal5200の主要機能を完全にサポートできるようにした」(同氏)

 Linux BSPは,Metrowerks社のWebサイトから無料でダウンロード可能。

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