Wi-Fiサービスの米Boingo WirelessとIPテレフォニ・プロバイダの米Vonageは,無線VoIPサービスに関して提携関係に入ったことを米国時間10月18日に発表した。両社が提供するサービスは,ビジネス・トラベラーをターゲットとするもの。提携の第一段階として,Vonage社のソフトフォン・サービス,Boingo社のWi-Fiサービスを含む両社のサービスに関して共同でマーケティングを行なう。

 Vonage社のソフトフォン・サービスのクライアントとして推奨されるXTEN社の「XPRO SoftPhone」は,Windows 98SE,同NT,同ME,同2000,同XPとMac OSXで動作する。同製品を利用するモバイル・ワーカーは,インターネットに接続するほぼすべてのパソコンからVonage社のサービスが利用できる。

 両社の提供するサービスの利用者は,Boingo社のネットワークにより,空港,ホテルなど世界でおよそ1万1000カ所において電話の送受信が可能になる。両社は,2004年末までに同サービスの試験を行い,現在Vonageサービスを提供している主要ロケーションにおいてサービスの展開を予定している。

 Vonage社は,8月に米Cisco Systems傘下のLinksysと米NETGEARともVoIPサービスに関して提携したことを発表している。Linksys社は,提携によりVonage社のブロードバンドVoIPサービスに対応したハードウエアをリリースする。NETGEAR社は,提携によりVoIPおよび無線LAN向けチップセットを搭載した802.11g対応無線ルーターを開発する。また,無線ルーターに続いて,ポート2基を装備した有線アダプタ/ルーターもリリースする。

 ちなみに,米Pyramid Researchの調査によれば,無線VoIPサービスの利用者は2008年までにおよそ7億人に達するという。

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