米Websenseは,インターネットのセキュリティに関する調査結果を米国時間10月11日に発表した。それによると,フィッシングとは異なる手法で,詐欺をはたらくWebサイトが大幅に増加していることが明らかとなった。

 フィッシングは,正当な電子メールを装って,パスワードやPIN(暗証番号)などの個人情報やセキュリテイ情報を取得しようとする手口。銀行や小売販売など,既存の企業を模倣したWebサイトにユーザーを誘導する。これに対して新たな手法は,合法的な単独の小売り販売サイトのようにみせかけて,社会保障番号やクレジット・カード情報などを盗み出す。ユーザーは電子メールやWebページのリンク,検索エンジンなどを通じて見つけるため,正当なWebサイトだと信じてしまい,事務用品の注文やローンの申し込みを行うつもりで個人の金融情報を提供してしまう。

 アンチ・フィッシングの業界団体Anti-phishing Working Group(APWG)によると,フィッシングの模倣サイトは毎月約50%増加しており,新たな手法の詐欺サイトも増殖している。

 その他の主な調査結果は以下のとおり。

・薬局,銀行,融資関連の詐欺サイトが最も多い

・大半の詐欺サイトは偽の連絡先を掲載しているか,連絡先が記載されていない。あるいは,サービス停止中である

・Webサイトの稼働期間は平均8.5日で,フィッシングのWebサイトと比べて長い

・詐欺サイトの大半は,米国外のホスティングを利用している

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