米AMD,米Dell,米Intel,米Microsoft,米Sun Microsystemsは米国時間10月8日に,ITシステム全体の管理情報にアクセスするための共通手段を提供するWebサービス仕様「Web Services Management(WS-Management)」を発表した。

 同仕様によりIT管理者は,Webサービスを利用して自社のネットワーク上にあるデバイスにリモートでアクセスすることが可能。ハンドヘルド機,パソコン,サーバーから,大規模なデータセンターの管理を想定する。「WS-Managementは,次世代アプリケーション管理の基礎を提供する。幅広い機能を備える上,他のWS仕様の安全性,信頼性,処理能力を利用できる」(Microsoft社)

 Intel社System Software研究所ディレクタのColin Evans氏は,「システム管理を合理化し,ITシステムの複雑さが低減すれば,顧客はより効率的に業務を遂行することができる。われわれは,それを支援するための仕様と技術を提供する」と述べた。

 Microsoft社は「Windows Server」と「Operations Manager」の次期リリースで,WS-Managementをサポートする予定。またIntel社は同社プラットフォームの基礎的要素で同仕様に対応する計画である。

 また上記5社は,Webサービス・ベースのシステム管理の普及を図り,コンピュータ管理などの標準化を行う業界団体Distributed Management Task Force(DMTF)にWS-Managementを提出する。WS-Managementの詳細は,以下のWebサイトで確認できる。

AMD社:http://www.amd.com/webservices
Dell社:http://www.dell.com/standards
Intel社:http://www.intel.com/technology/manage
Microsoft社:http://msdn.microsoft.com/ws/2004/10/ws-management
Sun社:http://developers.sun.com/techtopics/webservices/management

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,WS-Managementは,米Hewlett-Packardや米IBMなどが中心となって策定したWeb Services Distributed Management (WS-DM)仕様と一部重複する。異なる点は,「WS-DMはWebサービス・アプリケーションの性能を追跡するために設計されており,一方WS-Managementは,『WS-Eventing』や『WS-Notification』などのWebサービス・プロトコルを用いてデバイスを管理する手段を提供する」(米ZapThinkのアナリスト,Jason Bloomberg氏)。ちなみに,Sun社とDell社もWS-DM作業部会に参加している。

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