米FrontBridge Technologiesは,2004年9月のスパム被害状況を米国時間10月7日に発表した。同社が9月に処理した電子メールのうち,スパムが占める割合は85%となり,前月と比べて3ポイント増えた。ただし,9月に発生した3つのハリケーンの襲来直後は,スパムの割合が低下したという。

 同社は毎日,2500社を超える顧客企業に届く1億通以上の電子メールを処理し,スパムのフィルタリングと分析を行っている。9月で1日あたりのスパムの割合が最も高かったのは12日で,過去最高の91%を記録した。

 9月はハリケーン「フランシス」「アイバン」「ジーン」が襲来したが,これらの直後はスパムの減少が最も大きかった。フランシスの場合,スパムが占める割合は89%から82%以下に,アイバンでは91%から84%以下に低下した。ジーンの襲来直後は6ポイント減って83%となった。

 FrontBridges社製品管理部門バイス・プレジデントのDan Nadir氏は「スパム業者は歩合制だ。スパムを送信した分だけ,報酬を得ることができる」と説明する。「フロリダ州にハリケーンが直撃したことで,短期的にスパムが減少した。しかし,スパム業者がその間の損失を取り戻そうと奮闘したため,結果的にはスパムの量が前月を上回った」(同氏)

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