独SAPとドイツのチップ・メーカーであるInfineon Technologiesは,複数ベンダー製の無線ICタグ(RFID)ハードウエアとソフトウエアを管理するソフトウエアを発表した。両社が米カリフォルニア州サンディエゴで開催中の「SAP TechEd 04」とドイツのミュンヘンで開催中の「RFID & Contactless Technology Forum」において現地時間10月5日に明らかにした。同プラットフォームは,異なるRFIDコンポーネントの導入に関連するコストとリスクの削減を狙っており,小売り,製造,航空宇宙産業,ハイテク企業をターゲットとしている。

 RFIDプラットフォームは,SAP社のオープンな統合アプリケーション・プラットフォーム「SAP NetWeaver」とリーダー,スマート・タグ,その他のRFID機器をバックオフィスのソフトと接続するInfineon社の「RFID You-R OPEN(OPerating ENvironment)」デバイス統合プラットフォームをベースとする。RFIDに対応するビジネス・プロセス向けにハードウエア,デバイス,タグ,ソフトウエア・コンポーネントの導入を支援するとともに,投資回収の促進,統合コストとリスクの削減を狙う。

 大手の小売り業者の中には,サプライヤなどにRFID導入を義務付けているところもあり,企業はさまざまなRFID製品の導入に当たって困難に直面しているという。同プラットフォームにより,スマート・タグを利用するシステムの開発時間の短縮と複数のサプライヤからのハードウエアとソフトウエアの両方を管理するためのコスト削減が図れるという。エンド・ツー・エンドのシステムは,デバイスの管理も含め,タグからアプリケーションまでRFIDチェーン全体を管理することに焦点を当てている。

 Infineon社は,フロントエンドのRFIDハードウエア機器とバックエンドのソフトウエア間のインタフェースを管理するソフトの開発を行なった。SAPは,取得したRFIDデータをビジネス・プロセスに取り込むソフトウエアを提供する。

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