米Sun Microsystemsが,デュアル・コアの新型プロセサ「UltraSPARC IV+」を米国時間10月5日に発表した。動作周波数は1.8GHzで,キャッシュの大容量化や分岐予測の改善などを施した結果,処理速度が現行の「UltraSPARC IV」に比べ約2倍速くなったという。2005年半ばに利用可能とする。価格については明らかにしていない。

 UltraSPARC IV+は,同社の新プロセサ設計「Throughput Computing」によるプロセサ。単一プロセサ上に対称型マルチプロセシング(SMP)を組み込むことで,プロセサ1個で複数スレッドの同時実行を可能とする「Chip Multithreading(CMT)」技術を採用している。

 2Mバイトのレベル2キャッシュを内蔵するほか,コア外に32Mバイトのレベル3キャッシュを備える。分岐予測の仕組みの改善,プリフェッチ機能の強化,新たな演算機能の導入により,「1スレッド当たりの処理性能はUltraSPARC IVの約2倍ある」(Sun社)。

 プロセサの製造は米Texas Instrumentが行う。製造プロセス・ルールは90nm。

 UltraSPARC IVと同様バイナリ互換性を備えるため,「開発ツール,アプリケーションなどこれまでの投資を活用できる」(同社)。さらに,「既存システムの性能と信頼性を同時に高める際に,設置面積をまったく増やさず,わずかに消費電力と熱環境を変更すれば済むので,経済的かつ容易なアップグレードが可能」(同社)という。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,UltraSPARC IV+(開発コード名は「Panther」)は当初1.8GHz版の提供を開始し,その後2GHz版をリリースする予定という。

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