米Microsoftは,修正プログラム「Service Pack 2」適用済みの組み込み機器向けOS「Windows XP Embedded with Service Pack 2(SP2)」の「Technology Preview(技術プレビュー)」版を提供開始した。Microsoft社が米国時間10月4日に明らかにしたもの。SP2適用により,初期状態でのセキュリティ設定,遠隔管理機能,マルチメディア機能の強化を図った。同OSは,試験用として無償ダウンロード提供する。

 セキュリティ設定の強化は,初期状態でWindows Firewallを有効にすることで実現。設計し直されたファイアウオールは外部からの接続を制御しやすくなり,機器の安全確保につながるという。Remote Desktop Protocol v5.2などさまざまな通信プロトコルでのやり取りも可能になった。また,米Computer Associates Internationalと米Sygate Technologiesの協力を得て,アンチ・ウイルス/侵入防止セキュリティ機能も盛り込んだ。

 セキュリティ・アップデートを自動的に取得/適用するSoftware Update Services(SUS)により,管理機能を向上させた。システム管理ソフトウエア「Microsoft Systems Management Server」を使用すると,アプリケーションの更新作業を遠隔地から集中管理できるようになる。

 さらにSP2では,DirectX 9対応などによるマルチメディア機能の強化や,Bluetoothによるネットワークへの対応,起動/シャットダウン時間の短縮といった改善も施した。

 Windows XP Embedded with SP2 Technology Previewは,Microsoft社のWebサイトでダウンロード可能。正式版の提供は2004年中に開始する。

 また同社は同日,POS端末用ソフトウエア・プラットフォーム「Windows Embedded for Point of Service」についても発表した。Windows XP Embedded with SP2をベースとしており,POSシステムの設定/使用/管理を簡素化できる環境という。

◎関連記事
「企業ユーザーもWindows XP SP2を適用すべき」――米MSのセキュリティ最高責任者
米Microsoft,「Windows XP SP2 with Advanced Security」のRTMを発表
米Microsoft,Windows Embeddedの研究支援で77の教育機関に170万ドルの助成金を授与
Windows XP Embeddedを米MSがリリース,15社以上が対応機器を発売へ
米Transmetaが90nm版「Efficeon」を生産/出荷開始,Q3業績見込みを下方修正
「全AMD64対応プロセサでWindows XP SP2のセキュリティ機能が利用可能」,米AMD
「9月29日」に備える、SP2導入トラブル回避のTIPS
Windows XP SP2の導入に役立つリンク集

[発表資料へ]