米Sun Microsystemsとテキサス大学(University of Texas)のTexas Advanced Computing Center(TACC)が,UltraSPARCプロセサ・ベースのスーパーコンピュータ「Maverick」を全米科学財団(NSF)のスーパーコンピューティング・ネットワーク「TeraGrid」に接続すると,米国時間10月1日に発表した。Maverickはデータを3次元視覚化する機能を備え,気象予報など高速な処理が必要な分野について,大規模データの分析や遠隔操作による映像化が行える。

 Maverickは,非常事態対応管理や洪水のモデリング,地球規模の気象予報,地震の研究,細菌兵器など生物災害を含む本土防衛分野の研究のために構築したシステム。たとえば,特定のハリケーンや嵐による洪水パターンを予測できるので,避難経路や避難場所の決定/変更が迅速に行えるという。

 同システムの中核にあたる「Sun Fire E25K」サーバーには,対称型マルチプロセシング手法を応用した「Chip Multithreading(CMT)」技術対応の「64 UltraSPARC IV」プロセサを搭載。計128個のプロセサを含む16システムのボードには,512Gバイトの共有メモリーを用意している。Tバイト規模のストレージへのアクセスは,8枚のデュアルGigabitファイバ・チャネル・ストレージ・カードを介して行う。ネットワーク接続は,複数のポートを備える10 Gigabit Ethernetアダプタを使う。OSは「Solaris Operating System」。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,Sun社などは同システムの価格を明らかにしていない。ちなみに,Sun Fire E25Kの価格は100万ドル以上からという。

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