米Digimarcと米運輸省の高速道路安全局は,交通安全に電子透かし技術を利用することで提携を結んだ。Digimarc社が米国時間9月30日に発表したもの。電子透かし技術を運転免許証に埋め込むパイロット・プログラムを実施する。

 警察では,現在米国内に数百万の偽造免許証が出回っており,高校生の約半数が年齢を偽ったIDカードなどを持っていると推定する。免許停止や免許取消の処分を受けた運転手は,たびたび偽造免許証を利用しているという。「交通安全を脅かす大きな問題だ」(Digimarc社)

 「Operational Pilot of Digital Watermarking Reading for Driver License Authentication and Traffic Enforcement Support」と銘打ったパイロット・プログラムは,直ちに開始し,2005年後半まで実施する。電子透かし技術を免許証に埋め込むことで,司法管轄の境界を越えた地域でも,司法当局や州自動車局が免許を照合および認証できる。

 同プログラムには100万ドルの資金が投じられる。法的年齢に達していない若者へのたばこやアルコールの販売を防止するための使用も視野に入れる。

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