米IBMは米国時間9月30日に,データ統合ソフトウエア「DB2 Information Integrator」(開発コード名は「Masala」)の一般向けリリースを発表した。重要なビジネス情報を「1秒未満で探し出せる」(IBM社)としている。

 「企業はリアルタイムでビジネス情報を把握することで,より効率的な意志決定を下し,市場での競争力を高めることができる」(同社)

 DB2 Information Integratorは,非IBM社製システムを含む分散した各種データ・ソースから,顧客のサービス履歴,写真,電子メール,連絡先などの情報を即座に検索することが可能。また,異なるデータ・ソース間でリアルタイムの情報同期が行えるほか,1秒間に1万5000件の株取引情報を複製する。例えばオンライン証券会社は,各地のデータを同期化し,24時間対応の顧客向けポータルに情報を反映できる。

 独自のインデックス付けおよび回収技術を採用しており,単一の単語または語句をキーワードにして,イントラネット,エクストラネット,企業サイト,リレーショナル・データベース,コンテンツ管理リポジトリから,関連情報を見つけ出せる。

 企業はビジネス情報の扱いについて,主に三つの課題に直面している。すなわち,1)急増する情報量,2)情報のタイプと,情報を格納するシステムの多様化,3)リアルタイムで情報を取得する必要性である。業界アナリストによると,企業は年間のIT予算の40%を,情報統合にあてているという。「DB2 Information Integratorにより,企業は情報を現在格納している場所から移動することなく,情報資産を一元的に管理できる」(IBM社)

 IBM社は自社のイントラネットに同ソフトウエアの早期版を導入した。30万人以上の社員がアクセスする1万以上のWebサイトが稼働している同イントラネットで,DB2 Information Integratorは,1日当たり8万件のクエリーを処理し,700万以上のユニーク・ページから1秒未満で検索結果を出したという。

 IBM DB2 Information Integratorは,1プロセサ当たり5000ドルから。1データ・ソース対応につき1万5000ドル。サーバーの設定変更や問題発生による停止を自動的に監視し,管理者に警告する自律機能も備える。

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