米Microsoftは,フロリダ州オーランドで開催中の2004 Professional Association for SQL Server(PASS)Community Summitで米国時間9月29日,「Microsoft SQL Server 2000」および「同SQL Server 2005」の新しいビジネス・インテリジェンス(BI)機能のデモンストレーションを行った。Microsoft社が同日明らかにしたもの。さらに,SQL Server用レポート作成ソフトウエア「SQL Server Reporting Services」向けのテンプレート集「Microsoft SQL Server Report Packs for Microsoft Exchange Server」の無償提供や,レポート作成用のクエリ・ツール「Reporting Services Report Builder」なども発表した。

 SQL Server用レポート作成ソフトウエアのSQL Server Reporting Servicesは,2004年1月に無償提供を開始して以来,10万人弱のユーザーがダウンロードしたという。適用率が高いことから,同社はMicrosoft Operations Manager(MOM)の最新版に同梱するほか,Microsoft CRMおよびVisual Studioの次版に添付させるとしている。さらにVisual Studio 2005にはレポーティング・コントロール機能を組み込み,SQL Server Reporting Servicesと連携可能なアプリケーションの開発を省力化する。

 Microsoft SQL Server Report Packs for Microsoft Exchange Serverは,SQL Server Reporting Servicesに対する顧客からのフィードバックを受け,同ソフトウエアをもとに開発したテンプレート集。用途に合わせて簡単に変更可能なレポートを作ることが可能で,Exchange ServerとMicrosoft CRM 1.2で利用できる。同社は,同テンプレート集を同日より無償ダウンロード提供する。

 SQL Server 2005の「Beta 3」に搭載するReporting Services Report Builderは,同社が買収した米ActiveViewsの技術をベースとする新機能。エンド・ユーザー自身がアドホックにレポートを作成できる。SQL Server 2005への組み込みにあたり,ユーザー・インタフェースをMicrosoft社製品に合わせ一新した。

 さらにSQL Server 2005 Beta 3には,データ抽出/転送/ロード(ETL)技術「SQL Server Integration Services」(旧名称は「Data Transformation Services(DTS)」も組み込む。永続性のある保存データからだけでなく,WebサービスやXMLデータ・ソースからもデータを抽出できるようになった。データ・フローからのテキスト・マイニング/レポーティング/スコアリングも行える。

 またオンライン分析処理(OLAP)分野向けのツール「SQL Server 2000 Analysis Services」で,Relational OLAP(ROLAP),Multi-dimensional OLAP(MOLAP),Hybrid OLAP(HOLAP)の利用が初めて可能になったという。

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