米Microsoftはインドで現地時間9月29日に,「Windows XP」の廉価版「Windows XP Starter Edition」をインドで販売することを明らかにした。

 Windows XP Starter Editionは,発展途上国のパソコン初心者向けに設計したもの。Microsoft社は,同製品を5カ国で販売するパイロット・プログラムを8月に発表したが,その時点で決まっていた販売対象国は,タイ,マレーシア,インドネシアの3カ国だった。

 インド向けのWindows XP Starter Editionはヒンディ語対応のインタフェースを備え,ヘルプやトレーニングもヒンディ語で提供する。OEMパートナなどを通じて,Windows XP Starter Edition搭載の低価格デスクトップ・パソコンを,2005年初頭よりインド各地に向けて販売する。

 Microsoft社インド事業であるMicrosoft India社会長のRavi Venkatesan氏は,「現在,技術は世界中の経済や社会の変化を促進する役割を担っている。しかし,インドを含む多くの国では,簡単に技術やスキルを(国民に)提供することができない」と述べる。「低コストで地域向けにカスタマイズしたWindows XP Starter Editionにより,パソコン使用が普及し,技術意識の高い国民が生まれ,インドがIT大国として成長すると期待している」(同氏)

 Windows XP Starter Editionの主な特徴は以下の通り。

・スターティング・ガイド「Getting Started Guide」を含むヘルプ・システム「My Support」を再設計した。また,現地語の初心者向けビデオ説明を記録したCDが付属する。

・1度に稼働できるプログラムは3種類,各プログラムで実行可能なウインドウを三つまでに制限。ディスプレイ解像度は最大800×600ピクセル。パソコン間のホーム・ネットワーキングやプリンタ共有,1台のパソコンで複数ユーザー・アカウントを保持といった高度機能はサポートしない。

・インターネット接続機能のほか,「Windows XP Service Pack 2」で提供するセキュリティ機能,テキスト・メッセージング機能「Windows Messenger」,メディア・プレーヤ「Windows Media Player 9 Series」を搭載する。

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