米Amazon.comと米Microsoftは,両社のドメイン名をかたり,スプーフィングおよびフィッシングと呼ばれる詐欺行為を行ったとして,カナダのGold Disk Canadaをシアトル連邦地裁に提訴した。両社が米国時間9月28日に明らかにしたもの。

 両社によれば,Gold Disk Canada社のBarry Head被告と,その二人の息子であるEric Head被告およびMatthew Head被告は,Amazon.comやHotmail.comなどのドメイン名を偽り,何百万通ものスパム・メールを送信したという。

 Amazon.com社はまた個別に,フィッシングによって同社の顧客を欺こうとした複数の被告人に対して,シアトルのキング郡上位裁判所に訴訟の申し立てを行った。

 Microsoft社も同様に,米Activsoftと米Cybertaniaを運営するLeonid Radvinskyを相手取って訴訟を起こした。Microsoft社は,Leonid Radvinsky被告が同社の電子メール・サービス「MSN Hotmail」のユーザーに,発信元がAmazon.comであるかのように見せかけた電子メールを何百万通も送信したと説明している。ちなみに2003年8月には,Amazon.com社もLeonid Radvinsky被告に対して訴訟を起こしている。

 Amazon.com社副社長兼准法務顧問のDavid A. Zapolsky氏は「2003年8月以来,当社の名をかたった詐欺メールに関する情報が多数寄せられている。当社の顧客を詐欺行為から守るために,関係者の厳重な処罰を要求するつもりだ」と述べている。

 一方のMicrosoft社法務顧問のBrad Smith氏は次のように述べている。「今回,Amazon.com社と共同で起こした訴訟は,スパム・メールやフィッシングなど,不正行為の撲滅に,業界が一致団結して取り組んでいることを知らしめる警鐘となるだろう」(同氏)

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