米Cisco Systemsは,米Bank of America(BoA)からIP電話移行に関する契約を獲得した。Cisco社が米国時間9月28日に明らかにしたもの。BoA社は3年間かけ,29州とコロンビア特別区の全事業所5800カ所に,18万台のCisco社製IP電話機などを導入する。なお,音声/データ・ネットワーク・インフラへの移行作業は,米Electronic Data Systemsが担当する。

 移行作業が完了すると,BoA社は362台の交換機(PBX)を1台の「Cisco IP Communications」に置き換えることになる。「その結果,当社は運用および通信コストを削減できるうえ,システム管理の改善と従業員の生産性向上につながる」(BoA社ネットワーク・コンピューティング・グループ&ネットワーク・サービス担当マネージング・ディレクタのSteve Venezia氏)

 さらにBoA社は,さまざまな音声メッセージング・プラットフォーム上にある10万人以上の従業員のボイス・メール用ボックスを,1台の「Cisco Unity」音声メッセージング・システムに集約できる。電話機能が増えることからモバイル環境で作業がしやすくなり,通信ツールに対するアクセス性も高まる。複数の地域にコンタクト・センターを展開することが容易になるといったメリットも得られる。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,Cisco社は同様の契約を米Boeingと米Ford Motorとも結んでいる(関連記事12)。

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