米PeopleSoftと米IBMは,企業向けアプリケーションに関して提携関係を結ぶ。両社がサンフランシスコで開催中のユーザー・カンファレンス「Connect 2004」で明らかにしたもの。PeopleSoft社の企業向けアプリケーションをIBM社のミドルウエア製品群「WebSphere」に連携させ,共同でマーケティングを展開する。「2004年第4四半期に最終的な合意を交わす予定」(両社)とする。

 具体的には,「WebSphere Portal」「WebSphere Business Integration」「WebSphere Application Server」「WebSphere Studio Application Developer」といったIBM社のミドルウエアや開発ツールを,PeopleSoft社のアプリケーションに統合する。企業は,ベンダー独自のミドルウエア・スタックを個別に導入する必要がなくなるため,機能性と柔軟性に優れたプラットフォームを利用できるようになるという。「既存のシステムを無駄にすることなく,社内のIT資産を有効活用できる」(両社)

 両社はさらに,リソース,ノウハウ,統合技術などを共有するほか,マーケティングや販売促進プログラムを共同で実施する。

 PeopleSoft社社長兼CEOのCraig Conway氏は,「両社にとって最大かつ最も重要な提携となる」と述べた。「業界で最も柔軟性と順応性に優れたアプリケーションを,世界で最強のオープンなミドルウエア・インフラと組み合わせ,競合企業が太刀打ちできないソリューションを提供する」(同氏)

 両社はまた共同で,ビジネス・プロセスの相互接続性を研究する施設を設立する。実際のビジネス環境におけるアプリケーションの相互接続性に関してテストと認証を行う。「統合とカスタマイズを促進するのが狙い」(両社)という。

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