英Clearswiftは英国時間9月20日,2004年8月のスパム・メールに関する調査結果を発表した。それによると,8月は中国語/韓国語/日本語などの2バイト文字で書かれたスパム・メールが急増していることが明らかとなった。

 スパム業者は,アジア地域での高い応答率に着目している可能性があるという。「アジア諸国に狙いを絞り,その地域に合わせた内容のスパム・メールが発生している」(Clearswift社)

 スパム・フィルタの大半は,2バイト文字で書かれたスパム・メールを分析する十分な機能が備わっていない。そのため,2バイト文字のスパム・メールはフィルタをくぐりぬける効果的な手段となる。「アンチ・スパム・ベンダーが2バイト文字に対応するまで時間がかかることから,2バイト文字によるスパム襲来は今後も拡大を続けるだろう」(同社)

 Clearswift社調査部門ディレクタのAlyn Hockey氏は「2バイト文字のスパム・メールは6月にすでに発生していたが,8月末の数日間で一気に広がった」と説明する。「スパム・メール全体のうちほとんど0%に近かったものが,8月では5%を占めるまでに増加した」(同氏)

 なお8月のスパム・メールは,ヘルスケア関連が37%,金融関連が24.6%,直販関連が9.4%,ポルノ関連が8.2%だった。

 また同社は,ウイルス被害状況に関する調査結果も発表した。8月は,大量にメールを送付する「Netsky」の亜種が大半を占めた。ワースト1は「Netsky.P」で,全体の32.1%にのぼった。

◎関連記事
「2004年7月のスパム・メール,ポルノ関連が6月からおよそ350%増加」,英Clearswift 
「スパム・メールの約7割が金融および製薬の広告,ポルノ関連は減少」,英調査
「電子メール認証技術『DomainKeys』はスパム対策として有望」,米Sendmailがテスト結果を発表
FCC,携帯電話に送られるスパム・メールを取り締まる法規制を発表
「2004年6月のフィッシング攻撃は1422件,92%が偽りの送信元アドレスを使用」,米調査
「7割以上の企業がスパム対策を導入するも,設定が不十分で効果薄」,英調査
米Microsoft,正当な電子メールとスパムを区別する技術を「MSN」で採用
「アドレスをさらさない,オープン・リレーを許さない」――スパムに対抗する方法

[発表資料へ]