インスタント・メッセージング(IM)ソフトウエアを手がける米Jabberは,IMプラットフォーム「Jabber XCP」の新版,デスクトップ向けクライアント「Jabber Messenger」,開発ツール「Jabber XCP Developer Extension」を米国時間9月20日に発表した。金融機関,国家安全保障,物流管理,製造,技術,通信,医療といった分野をターゲットとする。

 Jabber XCP 4.0は,IETFが認定するIM/プレゼンス向け技術「Extensible Messaging and Presence Protocol(XMPP)」に準拠するサーバー。ワークフロー・システム,金融取り引きシステム,アラート,通知システム,顧客サービス・ポータルといったリアルタイムのアプリケーション,システム,サービスにおいてプレゼンス機能を利用可能とする。

 単一のドメイン名をサポートするため,グローバル企業は地理的に離れたJabber XCPサーバーにおいてパフォーマンスのボトルネックを縮小させるとともに,シームレスな拡張が可能になる。新版では,SSL暗号とSASL認証を行なうことにより外部のXMPPサーバーとの接続を改善している。また,Microsoft社の「ActiveDirectory 2003」に対応している。

 「Jabber Messenger 3.0」は,Windows対応のデスクトップ・クライアント。国際化が施され,対応キャラクタ・セットが増えた。ユーザーによるカスタマイズの幅も広がった。

 開発ツールの「Jabber XCP Developer Extension」は,ソフト開発キット(SDK),API,サンプル・コード,Information Broker, Webサービス(SOAPベースのAPIを利用してプレゼンスとメッセージング機能を他のアプリケーションに組み込む),Presence Mirror(データベース接続を通じて情報にアクセスを提供)を収録する。

 同社は,その他にも「Jabber IM」のリリース予定を発表した。同製品は,企業と政府機関向けセキュアなIMソリューション。安全なIMソリューションの導入を希望する企業に適している。後にJabber XCPに容易にアップグレードできる。同社は,2005年第1四半期に中小企業向けにプラグ・アンド・プレイ式IMアプリケーションのリリースも予定している。

 Jabber IMとJabber XCPは,Jabber XCP Developer Extension以外にオプションとして,「Jabber Wireless Option」,「Jabber Interoperability Option」が提供される。無線オプションは,RIM,PocketPC,SmartPhone,J2ME,Symbian,SMS,WAP対応の無線クライアントを提供。Jabber Interoperability Optionのスイートは,Lotus IM,IMPSへのゲートウェイを提供する。同社は,その他のメッセージング・サービス向けにもゲートウェイのリリースを予定している。

 新しい製品ラインは,同年9月30日にリリースされる予定。

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発表資料(1)
発表資料(2)