「Wi-Fi技術(無線LAN技術)は,携帯電話の広域ネットワークとローカル・ネットワーク間のシームレスな切り替えにおいて重要な要素になる」。米ABI Researchは,携帯電話に関する調査結果を米国時間9月16日に発表した。

 同社によれば,現在Wi-Fiに対応する携帯電話機は少ない。障害は存在するが,Wi-Fiと携帯電話を組み合わせた通信サービスは顧客獲得につながるという。

 調査結果では,同技術をバンドルする上で障害になっている要因のひとつとしてチップセットの価格を挙げている。同社は,2004年末までにおよそ6ドルに低下するとみている。また,設計者にとっては,携帯電話機にチップセットを組み込むことが課題になるという。

 同社シニア・アナリストのPhil Solis氏は,もう1つの障害としてVoWi-Fi(Voice-over-Wi-Fi)の消費電力が大きいことを挙げている。しかし,米Texas Instrumentsなどのメーカーが,消費電力を抑えたWi-FiのICを開発しているという。

 同社は,携帯電話サービスにWi-Fiをバンドルする通信事業者は顧客を獲得するとみている。付加価値サービスにより,通信事業者は顧客と1人当たりのサービス収入(ARPU)レベルを維持することが可能になるという。

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