米JPMorgan Chaseは,ITインフラ業務を委託している米IBMとの契約を解消し,自社内で運営する計画を進めている。両社が米国時間9月15日に明らかにしたもの。現在JPMorgan社は,データ・センター,ヘルプ・デスク,分散コンピューティング,データ/音声ネットワークといったITインフラの一部業務を,IBM社に委託している。契約解消により,同業務に携わっている約4000人のIBM社従業員と契約社員は,2005年1月初めにJPMorgan社へ移動する。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,両社は2002年に7年間/50億ドル規模のアウトソーシング契約を締結したという。これにともない,約4000人のJPMorgan社従業員と契約社員がIBM社に移籍していた。契約解消により,ほぼ同数の人員がJPMorgan社に戻る。

 IBM社へのアウトソーシングをやめて自社内でITインフラを運営する理由について,JPMorgan社は「先ごろ米Bank Oneを合併したことで,大容量のインフラを社内で管理する必要が生じた」と説明する。

 「自前のインフラを持つことが,長期の成長と当社の成功,そして株主にとって最良の手段だと確信している。新しいインフラにより,強い競争力,革新の促進,さらなる合理化と効率化が実現する。さらに,戻ってくる従業員に多くのキャリア機会を用意できる」(JPMorgan社CIOのAustin Adams氏)

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