米IBMは,無線ICタグ(RFID)導入支援の取り組みを拡充する。同社が米国時間9月14日に,産業別サービスと中規模企業向けサービスを発表した。

 産業別サービスには,コンサルティング,RFID業務事例の展開,コンセプトの技術的裏付け,社内および対外パイロット・プログラム,システムの本格導入が含まれる。自動車,航空/防衛,製造,石油化学,製紙,エレクトロニクスなどの産業を対象とする。

 RFID製品などの性能試験は,顧客の業務環境と,IBM社が大和市,フランスのラゴード,メリーランド州ゲイザースバーグに所有するテスト・センターで行う。また,IBM社研究部門が顧客のニーズに合ったシステムやツールの開発をサポートする。

 中規模企業向けサービスでは,ソリューション開発のワークショップや,パイロットおよびテスト・サービスなどを提供する。「企業は,RFID規定に遵守するだけでなく,書類やファクスを用いていたサプライ・チェーン・システムよりもはるかに利益率を向上し,市場投入への期間を短縮できる」(IBM社)

 なおIBM社は,オランダのPhilipsとRFIDシステムの共同開発提携でを結んでおり,Philips社が台湾の高雄に所有する半導体工場と,香港に所有する配送センターで,試験運用を実施している。

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