米Yahoo!と米Musicmatchは米国時間9月14日,Yahoo!社がMusicmatch社を買収することで最終合意に達したことを明らかにした。Yahoo!社は現金で約1億6000万ドルを支払う。買収手続きは規制当局の承認を経て,2004年第4四半期に完了する予定。買収後Musicmatch社は,Yahoo!社の100%子会社となる。

 Musicmatch社は1997年に設立されたデジタル音楽を手掛ける企業。同社が提供する製品やサービスには,デジタル音楽管理ソフトウエア「Musicmatch Jukebox」,無償のインターネットのラジオ・サービス「Musicmatch Radio」,音楽ダウンロード・サービス「Musicmatch Music Store」,音楽ストリーミング・サービス「Musicmatch On Demand」などがある。

 Yahoo!社会長兼CEOのTerry Semel氏は,「われわれはデジタル音楽市場に真っ向から取り組むつもりである。Musicmatch社の買収によって,消費者が音楽を楽しむためのさまざまな選択肢と柔軟性を提供し,デジタル音楽に関心を持つユーザー層を一気に獲得する」と述べている。

 また,Yahoo!社副社長兼ジェネラル・マネージャのDavid Goldberg氏は,「買収は,ラジオや音楽ビデオといった広告ベースのメディアと,音楽の配信およびダウンロードといったオンデマンド・サービスの両分野で,強い足場を築くためのもの」と説明する。

 Yahoo!社は現在,デジタル音楽サイト「LAUNCH」などを通じて音楽サービスを提供しており,米Nielsen//NetRatingsは,同社の2004年8月時点における音楽サービス利用者数を約1290万人と見積もっている。Musicmatch社の買収によって,Yahoo!社のリーチは2300万人に拡大する見通しという。

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