Linux標準化活動を推進する非営利団体Free Standards Group(FSG)は,Linux標準規格の新版「Linux Standard Base(LSB)2.0」を公開した。FSGが米国時間9月14日に明らかにしたもの。FSGのWebサイトで提供している。

 LSBは,LinuxディストリビューションおよびLinux対応アプリケーションの互換性を確保するための業界標準。FSGが開発/管理を行っている。LSB対応ディストリビューションならば,LSB用に作成されたアプリケーションがそのまま動作する。「アプリケーション・ベンダーは,明確な1つの標準に適合させることで大幅な経費を節約できる」(FSG)

 LSB仕様は,基本となるAPIセットとライブラリ,相互接続標準で構成する。

 新版の大きな新機能は,C++用アプリケーション・バイナリ・インタフェース(ABI)の導入である。これによりコードの相互接続性が向上し,多くのソフトウエア・ベンダーが経済的にアプリケーションをLinuxに移植できるようになるという。さらに,既存Unix仕様のSingle Unix Specification 3.0にも適合させた。

 対応アーキテクチャは,新たにIBM PowerPC 64,S390,S390X,Opteronを加えた。IA32およびIA64にも対応している。

 LSB仕様は,テスト・スイート,開発環境,導入サンプル,開発者向け文書など,Linuxで作業を行う際に必要となるさまざまなツールも備える。

 LSBに対しては,以下のベンダーが対応を表明している。米AMD,ブラジルConectiva,米Dell,米Hewlett-Packard,米IBM,米Intel,フランスMandrakesoft,ミラクル・リナックス,米Novell,米Progeny Linux Systems,中国Red Flag Software,米Red Hat,中国Sun Wah Linux,中国Thizlinux Laboratory,ターボリナックス。

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