英NDS Group,仏伊合弁のSTMicroelectronics,フランスのThomsonは,ビデオ・コンテンツ向け不正コピー防止技術を推進する団体「SVP(Secure Video Processor)Alliance」を結成した。3社が英国時間9月9日に明らかにしたもの。同団体の目的は,デジタル・テレビ,セットトップ・ボックス(STB),PVR,携帯型メディア・プレーヤなどの家電品や家庭内ネットワークでコンテンツの不正コピーを防ぐため,オープンで相互接続性のある技術を開発し,普及させることという。

 SVPは,STBや家電機器内のビデオ・プロセサ上でコンテンツ保護を行うエンド・ツー・エンドのコンテンツ配信者向けシステム。既存のアクセス制限(CA)/デジタル著作権管理(DRM)ソリューションが使える。「たとえば米DirecTVなどのネットワーク・サービス事業者は,SVPを使うと,コンテンツの受信,保存,再生に関する権限の制御をユーザーの家庭内ネットワークや携帯型プレーヤに対しても行えるようになる」(3社)

 3社のうちNDS社は,同社のCAソリューション「VideoGuard」を家庭内ネットワークと携帯型プレーヤで使用可能とするため,「SVP Manager」という技術の開発に取り組んでいる。STMicroelectronics社はSVP対応ビデオ処理ICの開発を進める。Thomson社は家電品向けSVP対応チップの2005年提供開始を目指すとともに,DRMソリューション「SmartRight」のSVP対応を行う。

 SVP標準はオープン仕様とし,公平かつ非差別的な条件でライセンス供与する。

 なお,SVP対応を表明して準メンバー企業になった米Broadcom,米Conexant Systems,NECのドイツ法人NEC Electronics(Europe)は現在,正規メンバーに変更する手続きを進めている。

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