米Motorola,NEC,フィンランドのNokia,ドイツのSiemens,スウェーデンEricssonとソニーの合弁会社であるSony Ericsson Mobile Communicationsは,携帯電話向けのブロードキャスト・サービス「Mobile Broadcast Services」に関して協同で取り組む。Nokia社がフィンランドで現地時間9月10日に発表したもの。同取り組みは,モバイル通信の業界団体Open Mobile Alliance(OMA)の活動のもとで進める。

 携帯電話向けブロードキャストは,優れたコスト効率で,多数のモバイル・ユーザーにマルチメディア・コンテンツを配信でき,モバイル機器でのコンテンツ利用を高めると期待されている。同取り組みでは,携帯電話向けテレビ放送(モバイルTV)の仕様などを定義する。

 モバイルTVは日本でサービスが始まったところだが,欧州では2005年末頃に商用サービスを開始する見込みである。

 またNokia社は,ソニー傘下のSony Semiconductor & Electronic Solutionsとともに,英国におけるモバイルTVのトライアル・サービスを支援することを,オランダで現地時間9月10日に明らかにした。同トライアル・サービスは,英ntlのブロードキャスト部門と英O2が2005年春に英国オックスフォードで実施するもので,120平方キロメートルをカバーする9機のブロードキャスト発信装置を用い,デジタルTV受信機を内蔵した携帯電話にマルチメディア・コンテンツを配信する。

 同トライアル・サービスでは,O2社のサービス加入者500人に,音楽,スポーツ,ニュース,コメディ,ドキュメンタリ,ドラマ,マンガのほか,双方向のゲームやショッピングなど最大16のテレビ・チャンネルを提供する。モバイルTVに対する消費者の需要や閲覧傾向,コンテンツ・タイプ別の評価などを検証する。欧州の携帯電話機向けテレビ放送規格「DVB-H」をベースにする。Nokia社は,サービス・システムをはじめ,電子商取引用モジュールやインタフェースを提供する。

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]