「当社の3週間限定のデジタル音楽販売促進キャンペーンを通じて,300万曲を超える楽曲がダウンロードされた」。米RealNetworksが米国時間9月9日に明らかにした。同キャンペーンは,購入楽曲を主要な音楽デバイスで再生可能にする技術「Harmony」を記念して実施したもの。
同キャンペーンでは,同社のオンライン音楽ストア「RealPlayer Music Store」において1曲あたり49セントで提供した。同社は,引き続き一部のシングルを同額で提供するという。
Harmonyは,音楽ファイルを主要なデジタル著作権管理(DRM)フォーマットに変換する技術。同技術を組み込んだRealPlayer Music Storeで販売する64万曲を超える楽曲は,米Apple Computerの「FairPlay」,米Microsoftの「Windows Media」,RealNetworks社の「Helix」といったDRM技術をサポートするため,Apple社の「iPod」全モデルを含め,幅広い携帯音楽デバイスで再生できる。
RealNetworks社が同技術を発表した際に,Apple社は「RealNetworks社が(悪意のある)ハッカーの戦術と倫理を取り入れて,『iPod』を侵害したことにショックを受けている。デジタル・ミレニアム著作権法(DMCA:Digital Millennium Copyright Act)などの法律に照らし合わせて,同社の行為を調査する方針だ」と非難するコメントを発表している。また,RealNetworks社のユーザーに対しては「当社がiPod用ソフトウエアをアップデートした場合,Harmonyが既存または将来のiPodで動作しなくなる可能性は非常に高い」(Apple社)と警告している。
RealNetworks社は,米Global Market Insite社に依頼した消費者調査の結果も同日発表した。それによれば,携帯型音楽デバイスの所有者の96%以上が,オンラインで購入した楽曲はどの携帯型デバイスでも利用できるべきだと考えていることあが明らかになった。66%は高い相互操作性を提供するオンライン音楽サービスでしか楽曲を購入しない,と回答している。また,相互操作性が高いサービスの順位付けでは,「RealPlayer Music Store」がApple社の「iTunes Music Store」を抜いて第1位にランクされた。
RealNetworks社によれば,同社は同年末までにRhapsodyサービスにHarmony技術の統合を計画している。Rhapsodyの加入者は,購入した楽曲を幅広い携帯デバイスに転送して楽しめるようになる。現在,RhapsodyとRadioPass音楽サービスの有料会員の数は55万人を超えている。
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