米情報技術協会(ITAA)は,2004年第1四半期における米国IT雇用の調査結果を米国時間9月8日に発表した。それによると,当期のIT労働人口は1052万6289人で,前年同期と比べて21万3639人(2%)増加した。ただし,企業の雇用担当幹部は,2004年全体のIT雇用を前年より27万人縮小する予定であるため,「2004年第2四半期以降は,IT雇用が減少の一途をたどる」(ITAA)。

 調査は,2004年2月24日~3月23日にかけて,米国企業のIT雇用担当幹部500人を対象に,電話でアンケートを実施したもの。

 新規雇用の約89%は,銀行,保険,製造,食品サービス,輸送といった非IT業界の企業によるもの。これらの企業によるIT雇用は,IT労働人口の79%を占めている。

 ITAA会長のHarris N. Miller氏は「海外へのアウトソーシングは依然として,米国のIT労働者にとって競争激化の要因となっている」と述べる。「グローバルなIT市場で米国の競争力が低下しないよう,十分な注意を払う必要がある」(同氏)

 その他の調査結果は以下の通り。

・地域別にみると,IT雇用が最も増えたのは北東部で,前年同期と比べて5%増加した。南部は前年同期比4%増,中西部は同2.6%増,西部は同0.7%減だった
・最も雇用が増えた職種は,テクニカル・サポートとネットワーク・システム設計
・今後,最も需要が見込めるのはテクニカル・サポートで,ネットワーク・システム開発,プログラミングがこれに続く
・採用については引き続き実績が重視されており,優位な条件は「関連分野での職務経験」(46%),「四年制大学での関連分野の学位」(41%)

◎関連記事
「2004年Q4の米国IT雇用,前期同様CIOの88%が現状維持」,米調査
「企業の47%は2004年Q2~Q3にかけて雇用を拡大」,米調査
「2003年のIT業界の人材需要は軟調,海外へのアウトソーシングが進む」と米調査
「新興企業のIT管理職,2003年の基本給は前年比1.9%増にとどまる」,米調査
「米国就業者の約7割がオフショア・アウトソーシングによる失業を心配せず」,米調査
「州政府の海外アウトソーシングは合計約7500万ドル」,米IT技術者労組連合
「オフショア・サービスの利用が多いのは通信とIT業界」,米調査
「IT企業は,海外アウトソーシングによって発生するリスクやコストを忘れてはならない」,米調査会社

[発表資料へ]