米Intelが,職場における生産性やセキュリティなどの向上を目指す技術構想「デジタル・オフィス」と,家庭内のデジタル・コンテンツ利用に向けた構想「デジタル・ホーム」について米国時間9月8日に発表した。

 デジタル・オフィスの実現に向け,Intel社は(1)組み込みIT,(2)インスタント・チームワーク,(3)広範囲の接続性,(4)情報アシスタントという4つの分野に的を絞って作業を進めているという。技術ビルディング・ブロックとプラットフォームの開発を行っており,具体的な成果の一例として,前日発表したIT資産の管理負荷を軽減する技術「Intel Active Management Technology(IAMT)」を挙げる。

 デジタル・ホームについては,Hyper-Threading Technology対応Intel Pentium 4プロセサとIntel 915 Expressチップセット製品系列を搭載した,デジタル・ホーム対応パソコン「Entertainment PC(EPC)」を紹介する。OEM企業が既に開発を進めており,米Alienwareと米Hewlett-Packard(HP)は2004年のホリデー・シーズンまでにEPCの提供を開始する見込み。さらにIntel社は,2004年のホリデー・シーズンまでにEPCをリリースするのに必要なプラットフォーム「2004 EPC Platform」についても明らかにした。

 EPCについて,Intel社は「ハイ・エンド・パソコンの処理能力に,AV機器の機能を組み合わせ,リビング・ルームのAVラックに合うスマートなデザインを採用した」と説明する。写真やビデオを保存して管理できるほか,映画や音楽,録画したテレビ番組などのコンテンツをリモコンで楽しめる。これまでオフィスや書斎でしか利用できなかったゲームなども,リビング・ルームの大画面でプレーできるようになる。

 EPC向けのオンライン・コンテンツ・サービスとしては,米Activision,米Digital 5,米Electronic Arts,米Movielink,米Napster,米Real Networksが提供を予定している。

 またIntel社は同日,家庭内ネットワークでデジタル・コンテンツを保護するための技術「Digital Media Adapter(DMA)」を発表した。Digital 5社,米Netgear,RealNetworks社と共同で開発した技術であり,パソコンからメディア・プレーヤなどへの移動時にコンテンツを保護できるという。Digital Transmission Content Protection over IP(DTCP-IP)を使用している。

 さらにIntel社は,次世代オーディオ技術「Intel High Definition(HD)Audio」などハイエンド・オーディオ対応のパソコン開発を支援するため,米Dolby Laboratoriesと共同でツール提供や支援プログラム運営を行う。具体的には,「Dolby PC Entertainment Experience Initiative」向けの参照設計やガイドラインを提供するとともに,品質評価プログラム,ロゴ・プログラム「Dolby PC Logo」で協力する。

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[発表資料(デジタル・オフィス/デジタル・ホーム)]
[発表資料(DMA)]
[発表資料(Dolby社との協力)]