英MessageLabsは,スパムやウイルスに関して調査した結果を米国時間9月7日に発表した。同社が顧客に送信された電子メールをスキャンした結果,2004年3~8月に,不適切な画像を添付した電子メールが全体で占める割合は0.02%で,前年同期間の0.07%から減少した。「ポルノ,マンガ,ジョーク,カードなどの画像を添付した,業務と無関係の電子メールは,貴重な帯域幅を無駄にするばかりか,受信者に不快感を与える」(同社)

 MessageLabs社CTOのMark Sunner氏は,「電子メールを使って重要なビジネス上のやり取りを行う企業にとって,コーポレート・ガバナンス(企業統治)の重要性が高まっている」と説明する。「電子メール管理に関する企業方針を明確にし,その遵守に注力する企業が増えており,それが不適切な画像を添付した電子メールの減少につながったのだろう」(同氏)

 また調査から,2004年8月は前月と比べ,スパムやウイルスが減少していることが分かった。同社がスキャンした電子メールのうち,スパムが全体で占める割合は84.2%で,7月の94.5%から約10ポイント減少した。同様に,ウイルスに感染した電子メールの割合は8月が6.9%だったのに対し,7月は7.3%だった。

 「昨年8月に被害を拡大した『SoBig.F』ウイルスのような例外もあるが,例年夏はウイルスが減少する傾向にある。また,スパムが減少したのは,米司法省がサイバー犯罪対策『Operation Web Snare』の一環として,150人以上を逮捕したことが奏功したのかもしれない」(Sunner氏)

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2004年ウイルス事情

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