米Red Hatは,企業向けOS「Red Hat Enterprise Linux 3」のセキュリティを強化するアップデート「Update 3」を直ちにリリースする。Red Hat社が米国時間9月7日に発表したもの。ユーザーは,同社アップデート・サービス「Red Hat Network」を通じて入手可能。

 Red Hat Enterprise Linux 3 Update 3の強化機能は,2005年初頭に提供する予定だったが,数カ月早いリリースとなる。

 Red Hat社Operating Systems Development部門バイス・プレジデントのBrian Stevens氏は,「オープンソース開発モデルと,サブスクリプション・ベースのビジネス・モデルを組み合わせることで,新機能,アップグレード,アップデートのリアルタイム提供が可能になった。開発期間の短縮と,一貫した配信により,顧客は,パフォーマンス向上やセキュリティ強化が実現すると同時に,その恩恵を得ることができる」と説明した。

 アップデートの主な内容は以下の通り。

・Exec-ShieldおよびPIE機能を追加。スタックやバッファのオーバーフローを防止し,データ・ストラクチャの上書きによるセキュリティ攻撃などを防ぐ。

・CPUのバッファ・オーバーフロー防止機能「NX(No Execute)」のサポートを拡充。「Intel Itanium 2」のほか,「Intel x86」「Intel EM64T」「AMD64」でNX機能をサポートする。

 セキュリティ関連以外では,米IBM製「POWER5」ベースのサーバーへの対応や,バグ修正などを実行する。

 またRed Hat社は,企業向けLinuxの提供で米Unisysと協力体制を敷くことを,同日明らかにした。Unisys社のすべてのサーバー製品を「Red Hat Enterprise Linux」に対応させる。32および64ビットの米Intel製プロセサを備えた「Unisys ES7000」(4~32ウエイ)に同OSを搭載して販売する。サポートはUnisys社のサービス部門が提供する。

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]