米Infonetics Researchは,VPN/ファイアウオールの世界市場(ハードウエア/ソフトウエア)について調査した結果を,米国時間8月30日に発表した。それによると,同市場の年間売上高は,2007年までに36億ドルにまで成長する見通し。ただし2004年第2四半期における売上高は,前年同期比1%減の7億2250万ドルだった。これは米CiscoとフィンランドのNokiaの不調が原因という。

 2004年第2四半期の売上高をベンダー別にみると,Cisco社が首位に立った。同社の売上高は,過去最高の売上高を達成した第1四半期よりやや減少したものの,市場全体の3分の1以上を獲得した。2位はイスラエルのCheck Point Software Technologies。同社は,Nokia社などとアプライアンスに関して提携関係を結んでおり「台頭が著しい」(Infonetics Research社)という。3位は米Juniperで,SSL VPNで強味を発揮した。また売上高の第2グループには,米Fortinet,Nokia社,カナダのNortel Networks,米SonicWALL,米Symantec,米WatchGuardなどが入った。

 売上高の内訳をみると,VPN/ファイアウオールのハードウエアが売上高の大部分を占め,ソフトウエアは売上高全体の7分の1だった。また,SSL VPNが売上高全体で占める割合は4%だっだが,2007年には13%を占めるまでに成長すると同社は予測する。

 Infonetics社主任アナリストのJeff Wilson氏は,「SSL VPNの売上高は,2004年第1四半期から第2四半期にかけて10%増加したが,2005年第2四半期までに92%成長する。また,SSL VPNの年間売上高は,2003年~2007年にかけて467%増加するだろう」と予測する。また同氏は,次のように説明する。「SSL VPNは,北米以外の地域では成長がやや遅いものの,北米では予想通りのペースで成長を続けている。また,米AventailやJuniper社などのベンダーが中小企業向けの新製品を発表していることからも,同市場と技術が成熟期を迎えつつあることが分かる」(同氏)

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