米Microsoftのインターネット事業MSNがオンライン音楽販売サービス「MSN Music」のベータ版を立ち上げた。Microsoft社が米国時間9月1日に発表したもの。「シンプルな手順でサインアップ,検索,購入できることが特徴」(Microsoft社)としている。

 MSN Musicでは,EMI Music North America社,Sony BMG Music Entertainment社,Universal Music Group社,Warner Music Group社などの大手レコード会社をはじめ,3000社以上のインディ・レーベルから,100万曲以上のライセンスを取得しているという。当初は50万曲強を提供するが,毎週カタログを増やしていく予定。

 価格は1曲当たり99セント。購入した楽曲は,70種以上の「Windows Media」対応機器やMedia Center PC(「Windows XP Media Center Edition」搭載パソコン)で再生できる。音楽検索ツールを備えるほか,ラジオ・サービス「MSN Radio」のストリーミング放送を聞いたり,他のユーザーのレビューやレコメンデーションを共有したりすることが可能。

 現在は米国のみでサービスを展開しているが,英国,フランス,ドイツ,イタリア,ベルギー,ブラジル,韓国,オーストラリアにも拡大する計画である。

 MSN Musicの主な特徴は以下の通り。

・サービスを利用する前に複雑な設定を行うことなく,好きな曲を選んで,簡単にサインアップと購入およびダウンロードを実行できる。

・ダウンロードした楽曲は,5台のコンピュータで再生可能。楽曲のプレイリストは7回までCDに記録でき,携帯型音楽プレーヤへの楽曲転送は無制限で行なえる。

・可変ビット・レートのWindows Mediaエンコーディング技術を使用しており,平均ビット・レートは160kbps,最大ビット・レートは256kbps。

・ダウンロード販売をしていない楽曲やアルバムは,リンク先のAmazon.comやBarnes & Noble.comからCD媒体で購入できる。

・アーティスト,ジャンル,アルバム,楽曲別の検索で,購入したい楽曲,アルバムやアーティストの情報を即座に探し出せる。検索キーワード入力の際のスペル・ミスを修正する機能も備える。

 MSN Musicは,Webブラウザ「Internet Explorer」またはメディア・プレーヤの新版「Windows Media Player 10」からアクセスできる。Windows Media Player 10は,太平洋夏時間9月2日午前6時にリリースする。同社Webサイトから入手可能。対応言語は英語,フランス語,韓国語。他の言語にも2004年秋に対応する予定。

 新版では,デジタル・メディアの検索,ダウンロード,再生,転送が従来より高速になったほか,音楽やビデオのオンライン・ショッピング・モール「Digital Media Mall」を提供する。MSN Musicのほか,CinemaNow,Musicmatch,MusicNow,Napsterや,Wal-Mart社の音楽ダウンロード・サービスなどがDigital Media Mallに参加している。

 ユーザーはWindows Media Player 10を使って,楽曲をWindows Media対応機器に自動転送したり,Windows Media AudioまたはMP3フォーマットでCDを作成したりするほか,Portable Media Center(「Windows Mobile」搭載の携帯型メディア・プレーヤ)と,音楽やビデオ,録画したテレビ番組などの同期が行える。

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]