米IDCは家庭内ネットワークの今後の展望に関する調査結果を米国時間9月1日に発表した。それによると,2003年に世界で3700万世帯が家庭内ネットワークを導入していた。2008年には,これが1億1100万世帯近くに増加する見込みだ。

 ブロードバンド接続を複数のパソコンで利用し,ファイルやプリンタを共有することを目的として,家庭内ネットワークを導入する世帯が増えている。今後もこれらの用途が,家庭内ネットワーク普及の主なけん引役となる。しかし,家庭内ネットワークは,ステレオや電話など数多くの家電を統合する役割を担いつつあるため,家電製品と,そこで保存および再生されるコンテンツも重要な意味を持つようになる。

 IDC,Consumer Markets部門リサーチ・マネージャのJonathan Gaw氏は「現在使っているサービスやシステムが接続環境に組み込まれるにつれ,家庭内ネットワークはその威力を十分に発揮するようになる」と語る。「最終的には,家庭内ネットワークを有する世帯の大半が,自宅に同ネットワークがあるとは意識しなくなる。これらの世帯は,接続されたデバイスを当然の成り行きとして使用するだろう」(同氏)

 技術の導入は,常に用途に応じて進むが,家庭内ネットワークも例外ではない。「人々はネットワークそのものが目的ではなく,何かの目的を果たすために,家庭内ネットワークを導入する。家電製品の簡単な接続や性能強化が実現すれば,インターネットがパソコンの多彩な用途につながったのと同様に,新たな利用方法が生まれる」(IDC)

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