米IBMと本田技研工業は,カーナビゲーション・システム(カーナビ)用の音声合成/認識システムを共同開発した。IBM社が米国時間9月1日に明らかにしたもの。本田は同システムを搭載するカーナビを「Acura RL」2005年モデルの標準装備とするほか,「Acura MDX」2005年モデルおよび「Honda Odyssey」2005年のオプションに設定。米国およびカナダで9月より順次販売を開始する。

 IBM社の音声処理ソフトウエア「Embedded ViaVoice」を採用。米国全土の道路と都市の名称を発話したり,進行方向を音声で指示したりする。700種類以上のコマンドと170万カ所以上の道路/都市名を音声入力することも可能である。音声合成/認識技術はカー・オーディオに組み込まれており,オーディオやDVD(Odysseyのみ),エアコンも音声操作できる。

 「ドライバはハンドルから手を,道から目を離さないで済むので,簡単に機器を操作できる」(IBM社)

 カーナビには,米Zagat Surveyの提供するレストラン,ホテル,映画,音楽,ショッピングなどのデータも入っている。目的地などを音声で入力すると,近くにあるレストランを検索し情報を読み上げる。そのほか,ディーラとの情報交換を行う「AcuraLink」や,Bluetooth経由で携帯電話機をハンズ・フリー操作する「HandsFreeLink」といった機能も備える。

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