米Infonetics Researchは,IP-PBXの世界市場に関する調査結果を,米国時間8月30日に発表した。それによると,2004年第2四半期におけるIP-PBXの売上高は前期比3%増の8900万ドルに達したという。

 この調査で対象としたIP-PBXには, 銅回線とLAN/WANインフラの両方に対応するハイブリッドPBXも含まれる。

 Infonetics Research社アナリストのMatthias Machowinski氏は,「企業は通信ネットワークをより効率的に運用したいと考えており,IP-PBXはその実現において重要な役割を果たしている」と説明する。「IPネットワークに音声とデータを集約する企業が増えており,2005年第2四半期のIP-PBX市場は前年同期と比べ45%成長する見通しだ」(同氏)

 2004年第2四半期の従来型IP-PBXによる売上高は前期と比べ11%増加した。2005年第2四半期は前年同期比5%増になるとみる。ハイブリッドPBXが,IP-PBXの総売上高で占める割合は57%で,前期に比べてやや減少した。また,世界のIP-PBX回線は,前期比5%増の150万回線となった。

 米メディア(TechWeb)によると,「VoIPの導入がハイブリッドPBX分野の拡大を後押ししている。ハイブリッドPBX分野における成長の20~30%は,IPへ移行する企業によるものだ。なお,昨年はIP-PBX市場の売上高が50%増加したが,今年も43%成長する見通しだ」(Machowinski氏)

 ベンダー別にみると,北米では米Cisco Systemsの売上高が最も高く,カナダのNortel NetworksとMitelが続いた。EMEA(欧州,中東,アフリカ)では,フランスのAlcatelが最大シェアを獲得し,Cisco社,Nortel社,米Avayaがそれを追っている。

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