米Infonetics Researchは,2004年第2四半期の企業向けルーター世界市場に関する調査結果を米国時間8月31日,発表した。2004年第1四半期に前期比8%成長した同市場は,第2四半期に前期比10%減少した。

 調査は,有線ブロードバンド・ゲートウエイ,ハイエンド/ミッドレンジ/ローエンド/SOHO向けの標準ルーターおよびセキュア・ルーターに関して,北米,欧州/中東/アフリカ(EMEA),アジア太平洋,カリブ海地域および中南米(CALA)市場の予測分析を行ったもの。対象となった企業は,3Com社,ADTRAN社,Allied Telesyn社,Cisco Systems社,D-Link社,Enterasys社,Juniper社,Linksys社,Lucent社,NETGEAR社,Nortel Networks社,Siemens社,Vanguard社など。

 Infonetics Research社主席アナリストのJeff Wilson氏は「従来の企業向けルーター市場はIPベースに発展しつつあり,セキュリティ機能に加え,VoIPサポートが進む」と説明する。「この傾向を踏まえると,特にミッドレンジとローエンド分野の企業向けルーターが,2004~2007年に堅調な成長を遂げる」(同氏)。2007年には,企業向けルーター世界市場の年間売上高が,2003年レベルの40億ドルに達する見込みだという。

 その他の主な調査結果は以下のとおり。

・2004年第2四半期における企業向けルーター世界市場で,売上高ベースの首位はCisco Systems社。第2位はCisco Systems社傘下のLinksys社,第3位はD-Link社。Cisco System社は売上高全体の4分の3以上を占めており,他社を大きく引き離している

・世界市場の総売上高のうち,ハイエンド・ルーターが49%,ミッドレンジ・ルーターが39%,有線ブロードバンド・ゲートウエイが9%,ローエンド/SOHO向けルーターが3%を占める

・地域別の売上高は,北米が全体の46%を占める。約3分の1がEMEA,約5分の1がアジア太平洋,残りがCALA

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