米AMDは,64ビット・アーキテクチャ「AMD64」ベースのデュアル・コア・プロセサ「AMD Opteron」のデモンストレーションを行う。AMD社が米国時間8月31日に明らかにしたもの。米Hewlett-Packard(HP)のサーバー「HP ProLiant DL585」に同プロセサを4個搭載した環境で実演するが,詳しい内容については触れていない。

 90nm製造プロセス・ルールとシリコン/絶縁膜構造(SOI)を組み合わせ,高性能かつ低消費電力のトランジスタを実現したという。「90nmへの微細化によりトランジスタの集積度を高められるので,ダイ・サイズを大幅に増やすことなくプロセサ・コアのデュアル化やさまざまな改良が施せる」(同社)。ソケットには,既存プロセサと同じ940ソケットを採用する(関連記事1同2)。

 Opteronブランドで販売する1~8ウエイ・サーバーおよびワークステーション用デュアル・コア・プロセサは,2005年なかごろに利用可能とする。「Athlon 64」ブランドで提供するデスクトップ・パソコン向けデュアル・コア・プロセサについては,2005年後半に利用可能とする予定。

 米メディアの報道(InfoWorld)によると,既存プロセサに対しピン互換なので,90nm版シングル・コア・プロセサ用のシステムをそのままデュアル・コア・プロセサ化できるという。

 なお米Intelは,サーバー用プロセサ「Itanium 2」のデュアル・コア版「Montecito」(開発コード名)の提供を2005年に予定している(関連記事)。

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