ファイバ・チャネルの業界団体Fibre Channel Industry Association(FCIA)は,ファイバ・チャネルのロードマップの拡張について明らかにした。FCIAおよびその姉妹団体である日本ファイバチャネル協議会(現ファイバチャネル技術部会)の参加メンバーが,8Gbpsファイバ・チャネル(8GFC)によるストレージ・ドライブとSANファブリック・スイッチの筐体内接続をロードマップに追加することを承認した。

 米国規格協会(ANSI)の諮問機関(INCITS:InterNational Committee for Information Technology Standards)の「T11」技術委員会が8GFCの銅線および光インタフェース仕様の開発を進め,「ストレージ接続で最高のパフォーマンスが確保できるようにする」(FCIA)。

 FCIAは,「4GFCや10Gbpsファイバ・チャネル(10GFC)対応製品が市場に投入されつつある現在の状況でロードマップを共有することはたいへん意義がある」と説明する。「顧客は将来の製品動向に関する情報を利用し,従来製品と互換性のある低コストの高速製品が登場した際に,スムーズに移行することができる」(FCIA)

 FCIAによれば,8GFC製品は2007~2008年に市場に投入される見込み。その際,2GFCおよび4GFCのインフラも引き続き利用できるようにする。ファイバ・チャネルの「自動ネゴシエーション」機能により,8GFC製品は,接続している装置が低データ・レートであることを自動的に認識し,速度を調整するという。

 FCIAのSpeed Forum Committee議長であるSkip Jones氏は,「FCIAが,将来のファイ・バチャネル移行に向けた明瞭簡潔なロードマップを提供することで市場分裂抑制の一助となったこと,標準化委員会に貴重な市場の意見を提供できたことに満足している。8GFCがロードマップに加わったことで,ファイバ・チャネルの将来は確固たるものになった」と述べた。

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