データ・センター運営向け業界標準の策定に取り組む組織Data Center Markup Language(DCML)Organizationは,「Data Center Markup Language(DCML)」仕様の策定作業をXML関連の標準化団体Organization for the Advancement of Structured Information Standards(OASIS)の管理下で継続させる。両組織が米国時間8月30日に明らかにしたもの。

 DCMLは,効率的なデータ・センター運用を目的とするXMLベースの標準規格。データ・センターで利用されるUNIX,Linux,Windowsなどを搭載したサーバー,ネットワーク部品,ストレージ部品,ソフトウエア・インフラ,アプリケーションといった幅広い要素を対象とする。これら構成要素の移行や統合を可能にし,相互にやり取りするための共通言語を提供する。

 DCMLを取り入れることにより,企業は,ユーティリティ・コンピューティングの恩恵を受けられるという。データ・センター構築/統合/移行,ソフトウエア・ポリシー管理,データ・センター・プランニングに必要な費用と時間を削減し,管理システムの導入やアップデートを簡素化する。また,重要な設定情報や再構築のための詳細な指示を取得することで,素早い災害復旧が可能となる。

 OASISはDCMLの策定を行うため,新たに「OASIS DCML Member Section」と呼ぶ組織を設ける。同組織の管理は,現在のDCML役員会からなる運営委員会が担当する。

 「OASIS DCML Member Sectionは現在のDCML仕様の検討を引き継ぎ,国際的に受け入れられているOASIS標準に発展させる。標準化により,エンド・ユーザーはサービス・レベルを向上でき,業務上の優先順位に沿ってITインフラを整備できるようになる」(DCML Organizationの会長を務める米Computer Associates InternationalのLouis Blatt氏)

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