米IBM，オープンソース化したDBMS「Cloudscape」に関するリソースを無償提供

高橋信頼

2004.08.31

　米IBMは米国時間8月30日に，Java対応リレーショナル・データベース「Cloudscape」に関するリソースを開発者に無償で提供することを明らかにした。技術アドバイス，サンプル・コード，Cloudscapeコードのダウンロード版などが含まれる。IBM社の「developerWorks」サイトから入手可能。

　同社は，オープンソースのWebサーバ・ソフトウエア開発を手がけるApache Software Foundation（ASF）に，50万行を超えるCloudscapeのソースコードを提供することを，8月4日に発表している。コードは当初，Apache Incubatorが管理する。ASFのライセンシング規格への適合を確認し，開発コミュニティの結成を監督する。その後，ASFとIBM社は開発コミュニティと協力し，同ソースコードをオープンソース・データベース「Derby」として確立する。

　IBM社によると，公開したソースコードのダウンロード件数は，3週間で5000件以上にのぼるという。

　　Cloudscapeは，容量が2Mバイトと軽量。組み込みに完全対応しており，データベース用の管理サポートがいらない。これにより開発者は，大規模なデータベース・システムを必要としない，小規模なWebサイト，POSシステム，地域のレジストリ，企業の部局向けといったアプリケーションを簡単に構築して実装することが可能。

　「Cloudscape関連のリソースにより，ソフトウエア開発者は顧客のニーズに応え，ISVはオープンな標準規格をベースにした，より革新的なビジネス・アプリケーションを開発することができる」（IBM社Developer Marketing & Web Communities for ISV and Developer Relations部門バイス・プレジデントのGina Poole氏）

　今回IBM社が公開する主なリソースは以下の通り。

・「IBM Cloudscape Version 10.0: A Technical Overview」。Cloudscape Version 10.0の一部の機能に関する技術概要。http://www-106.ibm.com/developerworks/db2/library/techarticle/dm-0408anderson/index.html

・「Integrating Cloudscape and Tomcat」。参照サーブレット・コンテナ「Tomcat」にCloudscapeを統合する手法。http://www-106.ibm.com/developerworks/db2/library/techarticle/dm-0408bader/index.html

・「IBM Cloudscape: Understanding Java class path」。Javaクラス・パスの理解を深めるための説明。http://www-106.ibm.com/developerworks/db2/library/techarticle/dm-0408anderson2/index.html

・「A compendium of Cloudscape frequently asked questions」。Cloudscape Version 10.0に関してよくある質問への回答。http://www-106.ibm.com/developerworks/db2/library/techarticle/dm-0408bradbury/index.html