米Global Sourcesは,中国の民生電子機器産業に関する調査結果を中国(香港)で現地時間8月26日に発表した。それによると,同国の民生電子機器市場は堅調な成長を示しており,各メーカーは価格競争から離れ,高性能製品の生産に向かいつつあるという。

 Global Sources社出版部門のMark A. Saunderson氏は「中国の民生電子機器産業は,2004年の売上高が496億ドルに達する。それ以降は年平均20%以上で成長し,2007年には940億ドルとなる」と予測する。「メーカーは低価格帯から高価格帯の製品に軸足を移しつつあり,ICの消費がこれを示している。2003年は,デジタル家電向けICの販売数量は22%増えたが,玩具や時計など従来の電子機器向けICは14%未満の伸びにとどまった」(同氏)

 中国は8つの製品分野(カラーTV,DVDプレーヤ,ホーム・シアター・システム,車載電子機器,デジタル・カメラ,MP3プレーヤ,PDA,家電)で最新技術を導入し始めているという。カラーTVのメーカーは液晶やプラズマ・ディスプレイの出荷を開始しており,ブラウン管製品を減らしつつある。また,デジタル・カメラのメーカーは,300万画素を上回る,高解像度の製品に切り換えつつある。

 さらにIC設計産業も成長の兆しを見せている。現在中国には463を超える設計企業があり,0.25ミクロン以下のプロセス技術に移行しつつある。このため,中国で設計されるICの生産高は2003~2007年に年平均約37%成長するとみる。「ただし,短中期的には,現地での設計能力はまだ不十分なため,特に高性能製品で引き続き輸入ICに頼ることになる」(Saunderson氏)

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