米Microsoftは,タブレットPC用OSの新版「Windows XP Tablet PC Edition 2005」の提供を開始した。Microsoft社が米国時間8月25日に明らかにしたもの。アプリケーション内の任意の位置でテキスト入力できるよう入力パネルを再設計するなど,ペン&インク機能を強化している。さらに,ソフトウエア開発キットの新版「Windows XP Tablet PC Edition Software Development Kit(SDK)1.7」も用意する。

 Windows XP Tablet PC Edition 2005について,Microsoft社モバイル・プラットフォーム担当副社長のBill Mitchell氏は「ノート・パソコンの標準的なモバイル機能としてタブレットPCを使ってもらうという当社のビジョンの実現に向けて,大きく前進できた」と述べる(関連記事)。

 同OSの主な新機能/強化点は以下の通り。

・インプレイス・タブレット入力パネル(インプレイスTIP):
 入力ボックスをタップし,表示された「TIP Access」ボタンをさらにタップすると,入力領域のすぐ下に入力パネルが現れる。この機能により,スタイラスのテキスト入力が直感的かつ迅速に行えるようになったという。同機能はすべてのWindows XP対応アプリケーションで利用できる

・リアルタイム文字認識:
 手書き入力を解析してテキストに変換する際,認識結果をテキスト・ボックスに入れる前にプレビューできるようにした

・インプレイス訂正:
 手書き文字認識の誤りを,テキスト・ボックスに入れる前に訂正できるようにした

・文脈対応:
 特定のテキスト領域に対し,文字認識方法のルールを設定できる。たとえば,郵便番号用のテキスト領域に数字だけを出力するルールを適用すると,“2”を“Z”にしたり,“5”を“S”にしたりといった誤認識を避けられる

・Windows XP Tablet PC Edition SDK 1.7:
 同OS用の新しいソフトウエア開発キット。文脈依存機能の利用が可能になったほか,Web対応アプリケーション用のインク機能も追加した

・Microsoft Office Systemとの連携強化:
 Word 2003/Excel 2003/PowerPoint 2003文書の任意の位置にテキストや注釈を入れやすくなった。手書き文字による電子メール・メッセージをOutlook 2003に送ることも可能

・無線機能の改善:
 Bluetooth機能を更新した

 Windows XP Tablet PC Edition 2005は,「Microsoft Windows XP Service Pack 2 with Advanced Security」の一部として無償提供する。Windows XPの自動更新機能を利用しているユーザーに対する配布は,既に始まっている。

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